Tamura ヒトハタ
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楽しみながらハタラクことで、誰かを幸せに

Kokage Kitchen 代表/田村市地域おこし協力隊 大島草太(田村市)

福島県・田村市を中心に、川内村周辺を含むあぶくま地区で活躍する大島草太さんにお話を伺いました。ご自身の経験から見つけた生きる、ハタラクの価値。地域おこし協力隊としても活躍しながら、地域と共創する事業に取り組まれています。

大学時代にフィールドワークで出会った都路町に移住

栃木県出身です。教員になろうと思っていたので、カリキュラムが充実している福島大学に進学しました。大学1、2年生の時にフィールドワークで川内村に出会い、地域の課題解決を行っていました。そこから田村市都路町でも活動するようになりました。3年生の時にワーキングホリデーでカナダのトロントに行き、帰国するまで中米からアジアまで20ヶ国程を旅しました。日本に戻ってからは、125㏄の高速道路も走れない小さなバイクで、福島から九州までを旅しました。国内外でさまざまなヒトと出会いながら旅を終え、自分に水の合う場所で働いて生きていこうと思い、学生時代に関わっていた都路町に移住することに決めました。

生きている大人たちがかっこいい場所

都路町に決めたのは、そこで生きている大人のヒトたちを「かっこいい」と感じたからです。都路町も震災時に一部が避難指示区域となり、ヒトが離れている時期もありました。今暮らしているヒトたちは、”何かや誰かのせいでなく、自分の想いで地域に暮らし、自分の生き方をしています。ハタラク世代だけでなく、仕事をリタイヤして自然の中で暮らしを楽しんでいるおじいちゃんやおばあちゃんもいて、その生き方もかっこいい。日本中いろいろな場所を見ましたが都路町で暮らすヒトの姿を見て、自分はこの場所で生きていこうと決めました。

世界を旅して見つけた、自分の生き方働き方

トロントでは結婚式場のキッチンで働いていました。一緒に働いていたヒトたちは、所得が多い訳ではありませんでしたし、労働時間も長かったけれど、みんなハタラクことが楽しそうでした。その姿に、それまであった“大学までストレートに進み、いい会社に行っていい仕事につく”という一点しか見ないような価値観が一気に崩壊しました。自分にとってのいい会社、いい仕事、ハタラクってなんだろう? と当時はずいぶん悩みました。でも次第に、「自分がいいと思う生き方をしよう。いい働き方を、死に物狂いで創りだそう」と思うようになりました。

地域の素材を使ったワッフルの移動販売でPR

都路町で暮らすことを決め、地域のヒトに話していく中で、どこかに勤めるのではなく、地域の課題を自分の力で解決していく働き方があるのではないかと思いました。そこで、地域の食材を使って、他地域にPRを行うKokage Kitchenを大学在学中にスタートさせました。Kokage Kitchenはキッチンカーで、川内村のそば粉と実、田村市の日本ミツバチの蜂蜜、都路町の卵を使ったワッフルの販売を行っています。将来的にはキッチンカーで全国を回りあぶくま地区の魅力を発信していきたいと思っています。

行政区を越えたあぶくま地区での活動

都路町を中心に活動はしていますが、暮らすうちに地域のヒトが行政区にこだわっていないことに気が付きました。僕自身も都路町だけでなく、川内村なども含む、あぶくま地区をベースに活動している意識です。その中で、現在は田村市の地域おこし協力隊として、グリーンパーク都路の活性化と、2020年にスタートするクラフトビール会社のお手伝いもしています。グリーンパーク都路では、第1、3月日曜日の月2回、Kokage Kitchenも出店し、地域へのヒトの流れを生みだしています。今の目標は、協力隊の任期中に地域の方との関係をさらに深め、自分の事業も形にしていきながら、3年待たずに事業一本でやっていきたいと思っています。

自分が楽しくハタラクことで周りも幸せに

都路町ではヨソモノだった自分も歓迎してもらえました。地域に入っていったときは学生でしたが、起業したことで学生として見られることはなくなり、一人の事業者として周りの方が対等に扱ってくださっています。復興を掲げ、一緒に協力し合う。その一員であることが嬉しいです。都路町だけでなくあぶくま地区全体にいえることだと思いますが、新しいチャレンジについて応援してくれるヒトが多い場所です。先日もグリーンパーク都路でKokage Kitchenを見たおばあさんが、「楽しそうだから私も隣で、かんぷらやき(福島の郷土料理)のお店をだすわ」とおっしゃられたことがありました。僕自身が楽しんでハタラクことがそんな風に伝わって嬉しかったですね。自分が楽しみながらハタラクことで誰かが幸せになる。そんな生き方、働き方を目指していきたいです。