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自然との共生 山を創る
田村市に生まれ田村市に育った桑原直人さん。自然とヒトとの共生をテーマに、山に向き合い、山を創るきこりとして活躍されています。 自然の中でハタラク 山でハタラク 生まれ育った田村市できこりを生業にしています。学生時代は電気について学んでいましたが、就職する時に「自然の中で働きたいとい」と思うようになっていました。就職活動中に、偶然ハローワークで森林組合の求人を見つけ「これだ!」と林業の世界に飛び込み、きこりになって18年経ちました。 木を切るという殺生の理由を考える きこりの仕事は森林整備です。間伐を行いながら、木を育て、森を守ります。木は日の光があって水があれば成長するので、育てることは自体はそれほど難しくありません。難しいのは、「自然とヒトがどうやって共生してくのか」ということですね。例えばヒトの都合だけで無作為に木を切ると、暮らしに関わる水の流れが悪くなるということが起こります。ヒトの暮らしは自然に依存している部分が大きいので、木を一本切るだけでも自分たちの生活に影響がでます。木を切るということは殺生です。殺生するならば、切った木材を役に立てなければいけないし、殺生するだけの理由が必要です。自分たちの都合で邪魔だからと木を切ってしまうのではなく、木の命一本を奪う理由もきちんと考えて、自然とヒトが共生していくことが大切だと思っています。 自然を敬い感謝する気持ち 入山するときは一礼してから山にはいりますし、木を切る時もおまじないをしてから切ります。自然を敬う気持ちで山に向き合っています。そうすると、丸太になった木を足蹴にすることもなくなりますし、大切に優しく扱うようになります。敬う気持ちや感謝する気持ちを持つことで仕事に対する姿勢も変わってくると思いますね。殺生した木がちゃんと高く売れてほしいと思いますし、売れないともったいない、最後まで使い切るようにしたいと思っています。後輩にもこうした考え方をできるだけ伝えるようにしています。 自然とヒトとの共生 50年後を見据えた山創り 田村では、建材にするために植林した木の伐期は50年といわれています。僕も仕事を始めた年に植林をしました。50年後にその山に再び携わることを楽しみにしています。仕事ではいつも50年後、100年後と自分が死んだ先にも続くものを想像しながら働いています。 丸太の価格は1980年代が一番高く、いまは当時の三分の一程度になっています。ですから、木は売れないというイメージを持っている方も多く、相続された方の中には山はいらないとおっしゃる方もいます。昔の田村には、冬は林業、農繁期は農業を生業として家も多くありました。いまでは、山に携わらなくても生活できるようになり、山離れが起こっています。建築木材が外材に押されるなど、山離れにはさまざま理由がありますが、山の価値はひとつではありません。ヒトの心を癒す景観にしたり、映画に出てくるトトロ山のように子供と過ごせる山にするとか、持ち主のニーズに合わせて山を創ることができます。経済林としてだけない、人間の想像を遥かに超えた可能性が自然にはあります。 山と向き合う中で矛盾も感じています。自然はそもそもヒトの手を借りなくても成長します。僕は山の中に入りたいからきこりとして整備をしているけれど、間伐しなくても自然は自然のままで淘汰もされます。手をかけているのは経済林として木をお金にするための人間の都合です。山で稼ぐことと自然と共生することの折り合いをいつも考えています。田村でいきていくきこりとして、自然とヒトとの離れられない関係の中で「共生」は大きなテーマです。 自分もヒト山も木も一緒に楽しみながら、ハタラク きこりという仕事を通して、関わってくれているヒトたちみんなと楽しい方向に進んでいきたいと思っています。そのためには、自分の希望も叶えていきたいし、周りのヒトの夢も叶えてあげたい。きこりは本当に奥が深い職業だと思います。そのせいか山に入るといつも楽しいです。ハタラクのその先にいつもこの“楽しい”という気持ちを持っていたいですね。自分もヒトも山も木も一緒に楽しみながら、ハタラクを実現していきたいと思っています。
【みなかみ町・イベント】ぐんまSDGsカードゲーム体験会inテレワークセンターMINAKAMI
ぐんまSDGsカードゲーム体験会inテレワークセンターMINAKAMI〜2030SDGsカードゲーム体験〜が開催されます! コロナ状況下、今持続可能な未来に向けての取り組みが脚光を浴びています。SDGsとは2030年を期限とした持続可能な開発目標と言われるものです。私たちの現在の暮らしをより良い方向に進め、未来の世代にこの地球を残していくための目標です。とても大きな話のようですが、実は私たち一人ひとりの暮らしととっても密接につながっています。そのSDGsをカードゲームでの体験を通して、気づき・学び・一歩を踏み出すための体験会を開催します。私たちの暮らす町が、次世代に受け継がれるよう、一緒に学んでみましょう。 今回体験していただくカードゲームは、「2030SDGsカードゲーム」。SDGsの本質を理解することができるカードゲームです。 開催日時:2020年8月18日(火) 18:30〜21:00 講義+ゲーム+振り返りとなります。 場所:テレワークセンター MINAKAMI 遊戯室 正面玄関ではなく事務室側入り口をご利用ください。 参加費:1,000円当日現地での支払いとなります。※カードゲーム事務局推奨一人3000円のところ、地域推進強化価格として必要経費のみいただいております。 参加定員:5〜15名(定員に満たない場合、中止となることがございます。) 参加方法:Facebookのイベントページよりお申し込みください。 https://www.facebook.com/events/331429844917229/ ※今回は、恐れ入りますが新型コロナウイルス感染拡大地域からのご参加は見合わせていただけますよう、お願い申し上げます。 ファシリテーター:森峯子昭和村在住。教職を退職後、現在は適応指導教室指導員・人権擁護委員などを中心に自らがどんなふうに社会に貢献していけるかを考えながら活動しています。 その他:お時間に余裕を持ってお越しください。また途中からの参加は原則としてできません。 コロナ感染症に対する対策について:当日、体温など、体調チェックおよび手指の消毒をさせていただきます。体調に不安を感じられる場合は、ご連絡ください。会場は距離を確保できる、広い会場を用意しています。必ずマスクを着用してお越しください。ゲームでは、参加者同士での会話やカード交換・交渉を行います。リスクを感じられる方、不安がある方は、ご参加をお勧めしません。あらかじめご理解ください。
【みなかみ町・オンライン相談会】群馬県みなかみ町第2回オンライン移住相談会
東京駅から新幹線で約60分の好アクセスで、世界に誇る自然の中で暮らしができる「みなかみ町」。夏は登山、ラフティング、カヌー、冬はスキーにスノーシュー、温泉もあり、農産物も豊富なみなかみ町の話を聞いてみませんか? 今回はセミナー形式ではなく、個別相談会形式で、ご相談者さんのご質問にがっつりお答えいたします。大人数では話しにくい細かい情報など、ニーズに沿ったお話をしたいと思っています。みなかみ町役場の移住担当者と、起業支援を行っている地域おこし協力隊OB、テレワークセンターを管理運営する現役地域おこし協力隊が、ありのままのみなかみ町のメリット・デメリットをストレートにビデオ&チャットでお伝えいたします。移住の相談から、お仕事の相談、東京都の二拠点の実現可能性から遊び、暮らしのこと、観光のことまでお気軽にご相談いただけます!ご参加、お待ちしております。 【開催日時】 8/26(水)17:00~20:00 27(木)17:00~20:00 28(金)17:00~20:00 29(土)10:00~17:00 【参加方法】WEB会議システム「ZOOM」使用 ※PC、スマートフォン、タブレットからの相談が可能です。相談希望者は相談希望日時の3日前までに下記URLから申込みを行ってください。担当者が予約の空きを確認し、相談希望者に時刻、ZOOMのURL、ID、パスワードをメールで通知します。あらかじめ相談内容や聞きたいことなどご用意いただけるとスムーズにお答えできます。 申込先URL(Googleフォーム): https://forms.gle/niceNMkqEe98g4BN6 【みなかみ町ホームページ】https://www.town.minakami.gunma.jp/ 【起業支援:FLAPホームページ】https://www.minakami.work/ 【テレワークセンターMINAKAMIホームページ】https://tw-g.org/ お問合わせ先 群馬県みなかみ町役場総合戦略課 電話 0278-25-5004 FAX 0278-62-2291https://www.town.minakami.gunma.jp/ メール k-nakayama@town.minakami.gunma.jp
賑わいを生む 町の魅力を発信する
群馬から移住し、田村市地域おこし協力隊として活躍する大類日和さん。地域暮らしの魅力をデザインや動画で発信すること、若い世代の方の賑わいや場づくりについてお話を伺いました。 クライアントやお客さんの喜ぶ顔が見える働き方 僕は群馬県出身です。田村市の地域おこし協力隊として、株式会社ShiftでグラフィックデザインやWebデザイン、動画の制作などを行っています。もともと大きな組織の中でハタラクよりは、クライアントやお客さんの喜ぶ顔が見える働き方に興味がありました。群馬にいた頃も、デザインや映像の仕事をしていたので、このスキルを活かし、尚且つ地域に貢献できる働き方、笑顔が見える働き方として、地域おこし協力隊を選びました。今は、田村での起業する準備期間です。 地域の中の“顔の見えるつながり” 地域でハタラク面白さは、顔の見えるつながりができやすいところですね。地域でお会いした方の中には、僕が地域おこし協力隊として田村に来たことを、広報誌などですでに知ってくださっている方もいらして。制作の取材で地域の方を訪ねたときも、「ああ、田村に来た人ね」という感じで、僕が知らない方でも、すんなり受け入れてもらえることが多かったです。優しい方が多く、取材に伺っても「いいから食べなさい」とお漬物をたくさん出してくださったり。仕事そっちのけでおしゃべりに花が咲くことも多いです。次に会った時も皆さん気さくに声をかけてくださいます。地域の方に受け入れて頂けている感じが嬉しいです。 賑わいを生む居場所。交流拠点を創る ただ、やっぱり地域の中に若いヒトが少ない点については気になっています。学校や仕事の都合で転居してしまったり、田村に暮らしていても土日は郡山や仙台に出かけてしまって町中にはいなかったり。同世代の方と田村で交流する機会が少ないと感じています。いま、僕はテラス石森を拠点に仕事をしているのですが、例えばここに賑わいを生むことはできないかな、と考えています。チャレンジショップのような形で、カフェの出店があるとか、ユニークな商品を集めたセレクトショップがあるとか。こちらから声をかけて若い世代のヒトたちをイベント的に集めるだけでなく、居場所ができることで交流が生まれるのではないかなと思います。思わずヒトが集まりたくなりような仕掛けを創ってみたいですね。 動画で発信する地域の魅力、地域の暮らし 映像の仕事も、地域に貢献できるものだと思っています。先日も田村で仲良くしていただいているお肉屋さんに取材に行き、仕事風景を撮影させてもらいました。なかなか知る機会がなかった仕事の内容がとても面白く、興味深いものでした。動画だと、この「面白い」と感じた部分を表現しやすいように思います。田村の中でも僕が「いいな」とか「面白いな」と感じるものがたくさんあります。そういったものの一番いいところを動画にして発信していくことで、田村の魅力を伝えることができます。ただきれいなものを面として切り取るのではなく、動画として見せることで、地域で暮らす面白さをそのまま感じていただけるのではないかと思います。今後は場づくりによって、町の中に賑わいをどう生みだしてくかということと、動画として切り取った町の魅力を発信することに、積極的に挑戦していきたいと思っています。
【オンラインイベント】ヒト×ハタラク研究会 Vol.1 地域プレイヤーと語るナイト@福島県田村市 開催!
ヒトハタプレゼンツ「ヒト×ハタラク研究会 Vol.1」とは ヒトと地域をつなぐヒトハタ主催の「ヒト×ハタラク研究会」がスタートします! これまで「知る」にご登場していただいた地域の素敵な方々にご登壇いただき、地域のこと、ハタラクこと、ざっくばらんにお話頂きます。参加者の皆さんとも対話も取り入れながら「ヒト×ハタラク」について研究していきます。 記念すべき第1回目は「地域のプレイヤーと語るナイト@田村市」田村市で活躍する若手プレイヤーたちによる座談会です!実際に地域で暮らし、地域でハタラクのリアルをお話頂きます。日時:7月29日(水)19:30~21:00会場:オンライン(下記申し込みフォームにてお申し込みください)参加費:無料 ゲストKokage kichen代表/地域おこし協力隊 大島草太さん地域おこし協力隊 大類日和さん一般社団法人Oval代表理事/ママカラ防災代表 添田麻美さん奥州福島 聖石温泉 若女将/田村市キャンペーンクルー 村越芽生さん Key word・田村市ってどんなところ?・地域でハタラクってどんな感じ?・地域暮らしの魅了は?・移住者でも活躍できる?・通いながら実現できることは? などなど 地域暮らしに興味を持っている方、町づくりに興味のある方、福島に興味あり!の方、プレイヤーのお仕事に興味ありの方、まずは座談会にご参加ください。 あなたの未来へのヒントや、気づきがきっとあるはずです!
DIYで得る自己満足 自分で創って感じる幸せ
長野県・佐久市で、住まい手さんが自らの手で家を創る“セルフビルド”をサポートする、えんがわ商店の渡辺正寿さんにお話を伺いました。DIY(Do It Yourself)で創る幸せとは。 「自分でモノを創ること」の面白さ 出身は栃木県です。学生の時に神奈川県横浜市に行って、そのまま横浜市でハウスメーカーに就職しました。その後、長野県上田市に勤めたい工務店があったので転職しました。やがて工務店を退職し4年ほど、建築関連の仕事からは離れていました。それまで建築の仕事は営業や広報だったので、現場でモノを創る経験はありませんでした。でも仕事として建築から離れていた期間に、自宅の庭に自分で薪小屋を建ててみて、「自分の手でモノを創ること」の面白さや可能性を感じたんですね。その経験からセルフビルドをサポートする、えんがわ商店をはじめました。 住まい手の想いを表現するセルフビルド セルフビルドパートナーは住まい手さんが家をつくる時に、ご自身で手を動かすことを推奨しています。“自分の住まいを自分の手で創る”お手伝いです。具体的には壁塗りや床貼りの内装と小屋づくりなどですが、ニーズは住まい手さんによってさまざまです。一見難しそうな作業でも「やってみませんか?」とお声掛けすると意外とできてしまうことも多く、こちら側でできないと決めつけたり、型にはめすぎないように気を付けています。「家は三回建てないと満足しない」といわれますが、「なんでなんだろう?」と考えてみると、住まい手さんの想いや希望を、専門の作り手だけでは表現しきれないからではないかと思います。家は、住まい手さんの自己表現に近いものだと思います。想いを表現するには、住まい手さんが表現できる場と機会を創ること。そうすることで、理想に近い住まいができあがるのではないかと思っています。 DIYは「自己満足」 僕は一日中作業をして、夕方くらいに自分が創ったモノを眺める時間が大好きです。30分でも1時間でも眺めていられるくらいですね。誰かが見ると「よくできたね」で終わってしまいますが、創った自分はよくできたところが一番わかる。「Do It Yourself」いわゆるDIYはいい意味で「自己満足」なのだと思います。いつの間にかできてしまったものよりも、自分の手で創ったモノであれば、「少し失敗しちゃったけど、よくできたな」と愛着もわくし、満足できる。この自己満足を感じてもらうということが、えんがわ商店の一番のサービスです。 幸せの感度を上げる、自分を満たす DIYは家を創ることだけではありません。料理を創る、文章を書く、写真を撮る、コミュニティを創ることなどもDIYだと思っています。どれも自分で創り上げたという満足感を得ることができますし、自己満足を感じることが自信につながり、自己肯定感になると思います。日常の中でDIYによる小さな成功体験を積み重ねると、幸せの感度も上がります。幸せを感じる帯幅を広げて、DIYで自己満足する。幸せは主観的なものです。自分自身が満たされる状況を自分でどうやって創るのかを考えてみると、DIYが役に立つのではないかと思っています。 自分を表現しやすい、地域での暮らし 佐久市に移住したのは、草原の目の前で暮らしてみたいと思っていたからです。それと、なんとなく自分に合いそうな感覚があったから。最初は何もないように感じていましたが、今では面白いヒトが増えて魅力的な町になってきていると思います。何もなかったから、みんなDIYで生み出しているのかもしれません。地域での暮らしはDIYに向いていると思います。発信すれば、地域のローカル検索エンジンみたいなものに引っかかって誰かとつながることができる。自分で表現したいことがあるヒトにとっては、表現しやすいのが地域だと思います。 幸せの感度を広げるお手伝い 自分自身が建築から離れていた時期に、農家で働いたり、小屋を創ったりしてみて、「ああ、意外となんとかなるんだな」と気が付きました。都市型の消費する暮らしでなく、なければDIYで創る。DIYが選択肢のひとつになれば、逃げ道ができるんだなと。自分で命を絶つという選択をせざるを得ない方にとっても、視点を変えれば選択肢がほかにもあること、逃げ道があることを伝えたい。逃げたらだめという思い込みを外していきたいですね。逃げてもいいし、誰かに頼んでもいいし、自分でDIYしてもいい。自死を減らしたいというのも、僕のテーマのひとつです。地域では、暮らしもハタラクもDIYも全て隣り合わせ。その中で自分を表現できるし、自分なりの生き方が実践できる場所。自分がハタラクを通して表現することで、一人でも多くの方の幸せの感度を広げるお手伝いができたらいいなと思っています。
楽しみながらハタラクことで、誰かを幸せに
福島県・田村市を中心に、川内村周辺を含むあぶくま地区で活躍する大島草太さんにお話を伺いました。ご自身の経験から見つけた生きる、ハタラクの価値。地域おこし協力隊としても活躍しながら、地域と共創する事業に取り組まれています。 大学時代にフィールドワークで出会った都路町に移住 栃木県出身です。教員になろうと思っていたので、カリキュラムが充実している福島大学に進学しました。大学1、2年生の時にフィールドワークで川内村に出会い、地域の課題解決を行っていました。そこから田村市都路町でも活動するようになりました。3年生の時にワーキングホリデーでカナダのトロントに行き、帰国するまで中米からアジアまで20ヶ国程を旅しました。日本に戻ってからは、125㏄の高速道路も走れない小さなバイクで、福島から九州までを旅しました。国内外でさまざまなヒトと出会いながら旅を終え、自分に水の合う場所で働いて生きていこうと思い、学生時代に関わっていた都路町に移住することに決めました。 生きている大人たちがかっこいい場所 都路町に決めたのは、そこで生きている大人のヒトたちを「かっこいい」と感じたからです。都路町も震災時に一部が避難指示区域となり、ヒトが離れている時期もありました。今暮らしているヒトたちは、”何かや誰かのせいでなく、自分の想いで地域に暮らし、自分の生き方をしています。ハタラク世代だけでなく、仕事をリタイヤして自然の中で暮らしを楽しんでいるおじいちゃんやおばあちゃんもいて、その生き方もかっこいい。日本中いろいろな場所を見ましたが都路町で暮らすヒトの姿を見て、自分はこの場所で生きていこうと決めました。 世界を旅して見つけた、自分の生き方働き方 トロントでは結婚式場のキッチンで働いていました。一緒に働いていたヒトたちは、所得が多い訳ではありませんでしたし、労働時間も長かったけれど、みんなハタラクことが楽しそうでした。その姿に、それまであった“大学までストレートに進み、いい会社に行っていい仕事につく”という一点しか見ないような価値観が一気に崩壊しました。自分にとってのいい会社、いい仕事、ハタラクってなんだろう? と当時はずいぶん悩みました。でも次第に、「自分がいいと思う生き方をしよう。いい働き方を、死に物狂いで創りだそう」と思うようになりました。 地域の素材を使ったワッフルの移動販売でPR 都路町で暮らすことを決め、地域のヒトに話していく中で、どこかに勤めるのではなく、地域の課題を自分の力で解決していく働き方があるのではないかと思いました。そこで、地域の食材を使って、他地域にPRを行うKokage Kitchenを大学在学中にスタートさせました。Kokage Kitchenはキッチンカーで、川内村のそば粉と実、田村市の日本ミツバチの蜂蜜、都路町の卵を使ったワッフルの販売を行っています。将来的にはキッチンカーで全国を回りあぶくま地区の魅力を発信していきたいと思っています。 行政区を越えたあぶくま地区での活動 都路町を中心に活動はしていますが、暮らすうちに地域のヒトが行政区にこだわっていないことに気が付きました。僕自身も都路町だけでなく、川内村なども含む、あぶくま地区をベースに活動している意識です。その中で、現在は田村市の地域おこし協力隊として、グリーンパーク都路の活性化と、2020年にスタートするクラフトビール会社のお手伝いもしています。グリーンパーク都路では、第1、3月日曜日の月2回、Kokage Kitchenも出店し、地域へのヒトの流れを生みだしています。今の目標は、協力隊の任期中に地域の方との関係をさらに深め、自分の事業も形にしていきながら、3年待たずに事業一本でやっていきたいと思っています。 自分が楽しくハタラクことで周りも幸せに 都路町ではヨソモノだった自分も歓迎してもらえました。地域に入っていったときは学生でしたが、起業したことで学生として見られることはなくなり、一人の事業者として周りの方が対等に扱ってくださっています。復興を掲げ、一緒に協力し合う。その一員であることが嬉しいです。都路町だけでなくあぶくま地区全体にいえることだと思いますが、新しいチャレンジについて応援してくれるヒトが多い場所です。先日もグリーンパーク都路でKokage Kitchenを見たおばあさんが、「楽しそうだから私も隣で、かんぷらやき(福島の郷土料理)のお店をだすわ」とおっしゃられたことがありました。僕自身が楽しんでハタラクことがそんな風に伝わって嬉しかったですね。自分が楽しみながらハタラクことで誰かが幸せになる。そんな生き方、働き方を目指していきたいです。
自然と農と、地域での暮らし
埼玉県から長野県・佐久市に移住。移住後に未経験から農業をはじめて8年目。小さなころから自然が好きだったという磯村 聡さんに、農のある暮らしと地域とのつながり、里山の自然を守る想いについてお話を伺いました。 移住は「失敗しても、だめでもいい」 農業を始める前は、国立公園の自然ガイドや野外体験施設のスタッフとして働いていました。子供の頃から自然が好きで、自然とヒトをつなぐ仕事をしたいと思っていました。佐久は母の実家です。祖父が高齢になり農業はもうできないという話を聞いたときに、昔からよく通っていた大好きな里山で何かできないかなと思い、移住することにしました。不安もありましたが、「失敗してもいい、だめでもいい」という気持ちでまず行動しました。最初から農業をやるつもりではなかったのですが、畑と田んぼがあるなら、作物を作ってみようと思い、一年間の農業研修を受けてから佐久に移住しました。8年経った今は、炭素循環農法で、野菜を育てるつながり自然農園として、主にミニトマトやフルーツコーンの生産を行っています。 移住先での仲間づくり 佐久には知人もいませんでしたし、移住当初は孤独感も感じました。でも目の前の農業のことに手一杯で、落ち込む暇はありませんでした。初めの一年は思い通りにいかないことも多く、試行錯誤の連続でした。何をやっていたのか覚えていないくらいです。最初は地域の若い世代のヒトたちとのつながり方がわからなかったのですが、佐久には若手の農業者の方が多いことがわかり、そうした方の会に参加するようになりました。ここでさまざまな出会いがあり、友達と呼べるヒトにも出会うことができました。 地域のヒトとの連帯感 住んでいる地区には、専業農家の方は少ないですが、皆さん小さくても畑や田んぼを持っています。暮らしてみると農は地域を作っている部分が大きいなと思います。どの家でも畑の草を伸ばしたままにすることはなく、「そろそろ刈らなきゃいけないな」と思っていますし、地域全体で地域を保とうという連帯感があります。みんなで清掃をしたり、観光資源になる花を植える作業などを行うことで一体感が生まれます。こうした日常の中で、助け合う意識が当たり前に醸成されているように感じています。地域の子供たちも人数は少ないですが、世代に関係なく一緒に遊んでいます。大人も子供も世代を越えた交流ができるのは、地域の魅力の一つだと思います。 自然+農を軸にしたもう一つの生業 作物を作って売るということ以外に、農を軸にしたいくつかの生業を持っています。ひとつはうちやまコミュニティ農園で、ここには農をベースにしたサードプレイス的役割があります。かかわり方もニーズに合わせて選択していただくことができます。もうひとつは、自然ガイドの経験から、田植えや、稲刈り、トウモロコシ収穫や、ホタル観察、田んぼの生き物観察や、畑キャンプなどの自然体験を県内外の方にも楽しんでいただくサービスを作っています。いずれも自然+農を軸に地域の魅力を伝える生業です。 農のある暮らしをデザインする これから力を入れていきたいことは、“一坪家庭菜園”の普及です。これは、1m×1mくらいの土地を木枠で囲って、プランターのように土を詰め、野菜や植物を育てるものです。コンクリートの上でもできますし、小さな範囲なので手入れも楽です。地方でも都市部でもどこででもできます。この一坪家庭菜園では、誰でも気軽に農のある暮らしを実現することができます。考え方やノウハウを広めることで、農に対するハードルを下げることができればいいなと思っています。一坪家庭菜園を通じて、農のある暮らしにさらに興味を持ってもらえるなら、次はコミュニティ農園に来て頂いたり、その先は移住や就農につながっていくのかもしれません。 Photo:石田 諒 身近なヒトを大切にすることで自然を守る 以前は、自分が農業に携わることで里山の環境を守りたい、関わるヒトに自然を好きになってもらいたいと、少し壮大に考えている部分がありました。でもいまは、地域のヒトやSNSの発信によってつながり、共感し合えるヒトたちなど、身近なヒトをまず大切にしたいと思うようになりました。そうした想いこそが結果的に里山を守っていくことにつながっていくのではないかと思っています。
安心して暮らしていける町をつくる
福島県・田村市にある、奥州福島 聖石温泉の若女将として活躍し、2019年にはキャンプ場・聖石温泉ベースキャンプもオープン。田村市観光キャンペーンクルーとして町の魅力を発信し続ける、村越芽生さんにお話をうかがいました。 大好きな田村市でハタラクを選択 田村市生まれの田村市育ちです。一時期、別の場所で暮らしたこともありましたが、離れてみると田村市の良さがよくわかるようになり、戻りたいと思っていました。今は、田村で祖父が23年前に創業した奥州福島 聖石温泉を継いで若女将として働いています。私は三兄弟の長女ですが、親から稼業を継げとは一言も言われていません。でもこの町が好きだし、大好きなおじいちゃんが始めた温泉を残したいという気持ちから、自分で継ぐと決めました。 田村市の魅力は地域のヒトの温かさ 田村市の魅力はなんですか? とよく聞かれますが、実は一言では説明しづらいですね。私は犬を飼っていて、散歩はいつも30分くらいで終わらせる予定でいるのですが、歩き出すと、近所のおじいちゃんやおばあちゃんに話かけられます。そこで世間話をしていると、「家にトウモロコシあっか?」と聞かれて、「ないです」と答えると、畑で作ったトウモロコシをたくさん下さるんですね。いつも誰かが目をかけてくれていて、声をかけてくれる。その点に安心感を覚えますし、近所に住んでいらっしゃる方はみんな自分のおじいちゃん、おばあちゃんのように感じています。ヒトの温かさは田村の大きな魅力だと思います。 町の賑わいを生むキャンプ場をオープン 地域の同級生は自分も含めて15人ですが、ほとんどの人が仙台や郡山などへ出ています。同級生で残っているのは私ともう一人の方だけですね。若い人達が集まる場所や働く場所が少ないことも影響していると思います。このことをこのまま見過ごしてしまうと町が廃れてしまう、誰かが問題視しないといけないと思いました。そこで、自分なりの取り組みのひとつとして、2019年に聖石温泉ベースキャンプをオープンしました。聖石温泉の前の道路は、日本一周の旅をされている方が多く通行されます。これまで、温泉を利用してくださる方もいましたし、旅の途中に、父とお酒を飲んで語らってくださる方もいらっしゃいました。そうした方々が集う場所としてキャンプ場を作りました。情報発信にはSNSを活用しています。旅行者の方の口コミ効果もあり、夏場は毎日15名程の方が利用してくださるまでになりました。この賑わいを町の方も好意的に見守ってくださっています。若い人達が活躍できる町にすることは私一人の力ではできませんし、都市部のまねをすることでもないと思います。田村なりの魅力を作っていくことができればと思っています。 田村市観光キャンペーンクルーとしても町の魅力を発信 田村を若い人達が戻ってきたいと思えるような町にしたいと思っています。でも自分は田村が大好きなので、反対の気持ちを考えるのは難しいことです。少しでも町の魅力を再発見して発信していけるように、田村市観光キャンペーンクルーとしても活動しています。これは、市によって選任され、観光PRなどを行うものです。2020年には第7期に続き、第8期のクルーとしても選任されました。ここでも、市に依頼されたイベントへ参加するだけでなく、SNSによる情報発信に力をいれています。クルー同士協力して、町の情報を調べ、独自の観光情報を発信し続けています。学生時代は勉強があまり好きではありませんでしたが、今は町のために学び、発信することを楽しめています。 どんな立場の人も安心して暮らしていける町をつくる 来るヒトにも、住むヒトにも田村を好きになってもらいたいと思っています。そのために賑わいをつくりたいですし、温泉やキャンプ場が役に立てば嬉しいと思っています。もうひとつの大きな目標は、障がいのある人とその家族が安心して暮らせる町をつくるというものです。弟が障がいをもっていることで、気が付いたことが少なからずあります。障がいを理解できないヒトが居るのもわかります。以前、障がいのある方が葡萄を育てて、ワインをつくる施設の話を聞きいたことがあり、その仕事を「かっこいい!」と思いました。そんな風に、障がいをもっている方でも活躍できて、かっこいい!と思える仕事を田村でもつくりたいです。ハタラクを通して身近なところに障がいのある方が、当たり前にいる環境が生まれれば、偏見も無くなるのではないでしょうか。“いろいろな立場の方が安心して暮らしていける町”を田村で創っていきたいと思います。
【佐久市・イベント】地域×模索人<岡田薫編>
模索(もさく):手さぐりでさがすこと。あれこれとさがしもとめること。(大辞林) ・・・・・ 地域をよりよくしたい、自分のやりたいことを実現したい。ただ思っていても、実際に行動に移さなければ、残念ながら実現しません。 そして、実現させるために行動しはじめると、うまくいったりうまくいかなかったりで、どちらかというと、うまくいかないほうが多いかもしれません。 それでも、実現のために、手探りで試行錯誤しながら、答えを探し続ける。そんな地域で模索しつづける人をゲストに招き、話を聞き、共感したり、意見を言ったり、仲間を見つけたりするための企画が 【地域×模索人】 です。 ・・・・・・ 記念すべき第1回目は、つい最近、東京と佐久地域での2拠点生活をスタートさせた「岡田薫(おかだかおる)」さんです。 岡田さんが佐久地域でやりたいと思っている、 ●シェアリングエコノミーを活用したモノのシェアや●地域通貨の仕組みを使った、現金より温かみのある価値交換ができる仕組み などを語ってもらいたいと思います。 ・・ 岡田さんは風の人。まだ「関係人口」という言葉が世の中になかったころから、全国各所の地域に入り込み、地域にかかわってきています。そして、その活動資金はECを業にし確保してきていましたが、ただ単にお金を稼ぐだけではない働き方や暮らしを求めて、この佐久地域にやってきてくれました。 今、岡田さんが佐久で実現したいと思っていることは、長い目で見たとき佐久にとってとても素晴らしいことだと思います。地域を楽しく、より良いものにしていくために、皆さんぜひお集まりください。 また、トーク後は対話をしながら交流会をしたいと思います。これも岡田さんが佐久に来てからすぐに「佐久の食材や加工品をおいしく食べて発信する」活動をはじめられています。せっかくなので、佐久のおいしいものを食べながら発信しながら交流しましょう。 ・・・・・・ ▼△▼こんな人におすすめのイベントです▼△▼ ☑ 岡田さんに会ってみたい方☑ 地域でシェアリングエコノミーや地域通貨の仕組みに興味のある方☑ 地域をよりよく、楽しいものにしたいと思っている方☑ 自分らしい暮らしをしたいと思っている方☑ 首都圏と地方で2拠点生活を考えている方☑ 首都圏在住で地方に居場所を創りたいと思っている方☑ 佐久地域内外で活動する面白い仲間と出会いたいと思っている方 etc △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ ◆日にち 2020年7月17日(金)◆時 間 19:00~21:00◆会 場 ワークテラス佐久オープンラウンジ 佐久市中込2336-1◆会 費 会場代と交流会の食材をみんなで割り勘(1,000円~2,000円程度)◆持ち物 あれば(皆さん自身の活動が紹介できるもの)◆申 込 イベントの参加ボタンをクリック◆内 容 19:00~19:20 イベントの趣旨説明・自己紹介等 19:20~19:50 岡田さんトーク・質疑応答 19:50~21:00 佐久のおいしいものを食べながらダイアログ ※イベント後半は自由に対話をします。最後にオープンマイクも行いますので、ご自身の活動で告知等がありましたらぜひお持ちください。 ※オンライン配信も予定していますので、参加希望の方はメッセージをください。